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最近、立て続けに数件、飲食店をオープンされるクライアントのお手伝いをさせてもらいました。いつか自分の店を持ちたいというのは、料理を志した人の巨大な夢だと思いますが、きっと現実は楽しいこと以上に厳しいことの連続なのだと思います。
目次
飲食店をオープンするというギャンブル
飲食店を開業するというのは、ある種、最も手っ取り早い独立の仕方にも思えます。
「アントレ」などの独立支援雑誌を見ると、フランチャイズ契約をすることで、気軽に夢の飲食店オーナー!みたいな特集がよく組まれていたりします。
それを見ると、「ああ、何だか楽しそうだな」と思えてしまうのですが、現実はそう簡単なものではないでしょう。
フランチャイズにしても、完全な独立店にしても、飲食店をオープンするには多額の設備投資が必要です。
居抜き物件を使うなどコストを抑える努力はされているでしょうが、お店のリフォームや看板、内装、家具、キッチンや食器などで軽く数千万円というお金がかかることになります。
さらに、宣伝費や人件費、毎月のランニングコストを考えれば、お金はどんどん出て行くばかり。
もちろん、最初から商売繁盛でお客様がどかどかやってきてくれれば良いですが、そんな虫の良い話はありません。
よっぽどのつてがない限り、お客様を一人ずつ一人ずつ、地道に開拓していかなければならないのが新店舗の通る道です。
2年以内に新規オープン飲食店の半分が閉店するという事実
株式会社シンクロ・フードが調査した結果によると、1年未満で閉店した新規オープン飲食店の割合は34.5%、2年以内で閉店した割合は15.2%。合計すると49.7%。統計によれば、約半分の飲食店が2年以内に閉店しているそうです。
■営業年数別の閉店割合
1年未満:2243件(34.5%)
1~2年:987件(15.2%)
3~5年:1364件(21.0%)
6~10年:1113件(17.1%)
11~15年:380件(5.9%)
16年以上:407件(6.3%)
※2008年~2013年に居抜き情報.COMによせられた問合せの中から、店舗の営業年数別に割合を取得。
※N=6494
【参照】PRTIMES
僕の知り合いも、以前、栃木県足利市で、昼や洋食ランチ、夜は洋風居酒屋というお店をオープンしましたが、1年持たずに倒産しました。
彼は、設備投資に使った数千万円の借金を背負い、奥さんと子供とも別れ、最終的には自己破産の道を選びました。
実際にそういう人間を知っていますので、僕自身、飲食店をオープンしたこともないし、しようとも思いませんが、その難しさは多少理解しているつもりです。
個人経営店の労働集約型ビジネスには限界がある。
個人経営の飲食店は、完全な労働集約型ビジネスです。
人間が働いた時間・労働力がそのまま売上に直結する。
店を開けなければ、お客は来ない、もちろん売上もない。
売上を上げるためには、できるだけ長い時間営業をして、お客様の回転率を上げ、売上を増やす以外にありません。
私の知り合いにパン屋さんを経営しているご夫婦がいます。
その地域では超人気店で、朝8時から販売を開始し、お昼までには売り切れてしまいます。
ご主人は、夜の9時にはお店に入り、夜通し準備をして朝8時のオープンを待ちます。
営業が終わったら、翌日に準備をして、明るいうちにベッドに入る。
そして、夜も深まる前にお店に出る。
こんな生活をもう何年も続けています。
もちろん、パンをじゃんじゃん作って、夕方まで売れば、売上はもっと上がるでしょう。
しかし、それでは作っている側が死んでしまいます。
夫婦とパートさんだけの小さなお店では、「1日中売り続けられるだけのパンを、高いクオリティを維持して作り続けること」は困難なのです。
これが、労働集約型ビジネスの限界です。
それでも、料理や商品の付加価値を高め、その他、安価だがクオリティの低い商品との差別化を計れば、
そこには「ブランド」が生まれ、ビジネスは「一応」うまくいくことになるでしょう。
飲食店をやりたいなら、軽い気持ちではなく「決死の覚悟」が必要
料理人として、自分の腕一本で勝負したい。
そういう職人気質な方は、生涯、板場にたって現役を貫きたいでしょう。
それもまた素晴らしい人生です。
もちろん、様々な意味で大変な生活が待っているとは思いますが、
一度きりの人生、やりたいことを全うできるなんて幸せというものです。
僕は基本的に借金とリスクが嫌いなので、大金を借りて飲食店をオープンするなんてことは、絶対にしません。
(料理は好きなので、家族のためにたいしたことなり手料理を振る舞うことはありますが)
長い時間をかけて仕事をすれば良いものが出来るというのは完全なる盲信だと思っているので、
クオリティと効率のバランスを追求した「賢い仕事のやり方でクライアントの利益を創出する」を実践するのが僕の流儀だと思っています。
そんな人間に、飲食店の運営は難しいでしょう。
「心意気」が圧倒的に足りないのです。
お金さえあれば、「金も出すが、口も出す飲食店オーナー」にはなれそうですが、残念ながらパンを買うお金もありません。
「そのうちヒマになったら、喫茶店でもやろうか」なんて軽く思っている方は、ぜひとも考えなおした方が良い。
飲食店をオープンするには、それこそ「決死の覚悟」が必要です。
だからこそ僕は、飲食店をオープンして勝負をしようという方たちを尊敬しつつ、彼らの未来に幸あらんことをと願わずにはいられないのです。